臨時債務整理・夜間・深夜・無料電話相談

コロナで収入が減少した方も多くおられると思います。
2月22日午後9時から深夜無料電話相談を行います。

受付時間 午後9時から午後11時の電話で,すぐに相談開始

相談内容 破産,個人再生,特定調停,任意整理

その他借入金返済についてのご相談。コロナの影響がなくても可
相談時間 30分

お願い 神奈川県内のご相談者または当事者が神奈川県内の方のご相談に限ります。
お願い 当事務所は電話が2回戦あります。呼出音が鳴り続ける場合は,もう1つの回線で相談を実施している可能性が高いので,また,時間をみて電話してください。
お願い 無料相談は1回のみです。2回目以降は30分5500円の相談料がかかります。

心のレジリエンス

resilience・・・心がつらい状態,ストレスにどのように対応したらよいか

ルーシー・ホーン·TEDxChristchurch,心のレジリエンスを高めるための3つの秘訣から

法律的な紛争の当事者である方に見ていただきたいtalkです。
紛争は面白いことではありません。自分が傷つけられ,相手を傷つけてまた自分が傷つく,まじめに考えてしまうと相当のストレスがかかります。私は,法律の専門家にすぎませんが,心のケアも大切であるため,この心のケアの記事も書くことにしました。

以下,ルーシーホーンさんのトークです。気に入った部分を抽出しました。
トークの全部を見たい方は,以下をどうぞ。
www.ted.com
www.TEDxChristchurch.com
https://www.ted.com/talks/lucy_hone_3_secrets_of_resilient_people?language=ja

最愛の人を亡くした人,失恋をしたことがある人,流産したことがある,不妊でなやんでいる人,離婚をした,不倫の被害を被った人,震災,自然災害の犠牲になった人,失業した人,身近な人の心の病や痴呆,身体障害,自殺に対応せざるを得なくなった人,いったいどのくらいいるでしょう。逆境はどの人にも訪れます。

私(ルーシー・ホーン)にも逆境が襲いました。交通事故による親友と娘の死です。遺族サポートの人が来て回復には時間がかかると言ってくれましたが,それはかえって私たちの被害者意識を強めてしまった。将来の行く先にとてつもなく大きなものが立ちはだかり,悲しみを乗り越える力が出なかった。どんなに酷い状態なのかなんて,わざわざ聞く必要はないのです。私が一番望んでいたもの,それは希望でした。

逆境から立ち直る方法,つまりレジリエンスを高めるための3つの方法をお伝えします。

1.悪いことは起きるものと心得る
レジリエンスの高い人たちは悪いことは起きるものであることを知っています。苦難は人生の一部と心得ています。苦難を呪ってもしかたありません。ポイントは,苦難に対して,おぼれるのか泳ぐのか。

2.変えられることに焦点をあて,変えられないことは受け入れる
私たちは,脅威や欠点に気付くことがとても得意です。ネガティブなことに反応するようにプログラムされているのです。石器時代には住居から出た時に虹よりも猛獣に気付くことが大事でした。現代社会は脅威に満ちています。脳は残念ながらまるですべてが猛獣であるかのように反応するのです。飲み込まれてはいけません。失ったもののために今持っているものを失ってはいけない。幸せなことがらを意識しましょう。

3.今していることは自分を助けているか害を与えているか
逆境を強く意識することがいいことかどうか。さらなる悲しみに陥ることに意味はない。自分に害を与えている思考はやめましょう。自分を助けてあげる,つまり,自分に優しくしましょう。自分の進路,意思決定を多少なりともコントロールできるようになります。

トークからの抽出は以上です。
ものは考えよう,といいますが,希望を与えてくれるトークだと思います。

身元保証

息子・娘が会社に損害を与えたことについて,身元保証人である親のあなたが会社から損害賠償請求をされているケースで,考えるべきこと

目次
身元保証の意義
身元保証の機能
民法改正との関係・・・注意1
身元保証人の賠償金額・・・注意2
身元保証契約の期間・・・注意3
通知義務・特別解約権・・・注意4

(身元保証の意義)
身元保証とは従業員の行為によって会社が損害を受けた場合,会社に損害を賠償してもらうために行う契約

契約するのは従業員ではない親などを身元保証人として身元保証人と企業が保証契約をします。

(身元保証の機能)
たとえば従業員が会社応接室の高額な美術品を必要がないのに手に取って見ていて,過失で壊してしまった場合,会社は従業員に損害賠償すればよいのですが,その従業員が無一文の場合,実際には賠償金が取れないことがあります。そのようなときに身元保証人から取れるようにするために身元保証は契約されます。
そうなったら従業員は身元保証人に迷惑をかけるので,不正行為をしにくくなるという従業員の心理も身元保証の効果です。

(民法改正との関係)
これまでは従業員が企業に損害を与えた場合,従業員の損害賠償義務について身元保証人がその一切を保証する,というのがオーソドックスな身元保証契約の内容でした。
民法改正で,それでは無効になります。
身元保証のようなあれやこれやの損害を広くカバーする保証を「根保証」といいます。今度の民法改正で,個人が根保証をする場合は,極度額という最高額を定めなければ,無効という規定が設定されました。2020年の4月1日からの民法になります。
先ほどの保証の例だと金額が全く出てきませんから保証が全て無効です。
民法上有効な身元保証契約を締結するとすれば、「従業員が企業に損害を与えた場合,従業員の損害賠償義務について身元保証人が〇〇円を限度としてその一切を保証する亅という契約内容になります。極度額を有効要件としたのは,個人の保証人が被る損害を予測して,保証契約するかどうかを慎重に判断させるためです。

注意1
  したがって,会社から損害賠償請求された身元保証人は,身元保証契約が民法の要求する極度額明記の要件を満たしているかどうか確認してください。

(身元保証人の賠償金額)
会社の損害が発生しても身元保証人が支払わなければならない金額は裁判所が定めます。会社の請求金額そのままを支払わなければならないのではありません。
身元保証法第5条
 裁判所ハ身元保証人ノ損害賠償ノ責任及其ノ金額ヲ定ムルニ付被用者ノ監督ニ関スル使用者ノ過失ノ有無,身元保証人ガ身元保証ヲ為スニ至リタル事由及之ヲ為スニ当リ用ヰタル注意ノ程度,被用者ノ任務又ハ身上ノ変化其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌ス

最後の「斟酌す」は考慮に入れるということですが,具体的に言うと身元保証人の賠償金額を減額するということです。

注意2・・・身元保証契約により会社から損害賠償請求されても減額交渉せよ,言うなりに払うのは損。最終的には支払い拒否して,訴訟覚悟。

(身元保証契約の期間)
保証期間を定めないと有効期間は3年となり,保証期間を定める場合は5年を限度とされます。
身元保証法1条
 引受,保証其ノ他名称ノ如何ヲ問ハズ期間ヲ定メズシテ被用者ノ行為ニ因リ使用者ノ受ケタル損害ヲ賠償スルコトヲ約スル身元保証契約ハ其ノ成立ノ日ヨリ三年間其ノ効力ヲ有ス但シ商工業見習者ノ身元保証契約ニ付テハ之ヲ五年トス
第2条 身元保証契約ノ期間ハ五年ヲ超ユルコトヲ得ズ若シ之ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ期間ハ之ヲ五年ニ短縮ス

有効期間が過ぎると身元保証の効力がなくなります。
入社時だけ契約することも多いのではないでしょうか。

注意3・・・有効期間が定められていなければ3年過ぎると契約切れを主張すべし。

(通知義務・特別解約権)
身元保証契約
第3条 使用者ハ左ノ場合ニ於テハ遅滞ナク身元保証人ニ通知スベシ
 一 被用者ニ業務上不適任又ハ不誠実ナル事跡アリテ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ惹起スル虞アルコトヲ知リタルトキ
 二 被用者ノ任務又ハ任地ヲ変更シ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ加重シ又ハ其ノ監督ヲ困難ナラシムルトキ

第4条 身元保証人前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ将来ニ向テ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得身元保証人自ラ前条第一号及第二号ノ事実アリタルコトヲ知リタルトキ亦同ジ

これは会社が身元保証人に頼りすぎないようにさせる規定です。建物の賃貸借契約でも裁判例でこれに準じた取扱いがされています。

会社が通知を怠ったときは身元保証人の責任はなくなるかどうかですが,この法律を作るときに責任がなくなるという条項の案がありましたが,立法時に削られた経緯があります。そうすると通知がされなかったことは裁判所が損害賠償金額の算定で斟酌することになるでしょう。

注意4・・・解約すべき時は解約せよ

民事執行法改正で今から注意しておくべきこと

 民事執行法が改正され,204条以下で「第三者からの情報取得手続」が新設された。一部を除き令和2年4月から施行される。

 206条では,債務者の給与等を差押えるために,債務者の収入を把握している市町村や日本年金機構,公務員共済などに強制執行のために必要な情報を債権者に知らせる手続きが規定されている。

注意が必要な理由

 この手続きを利用できるのは全ての債権者ではなく,養育費の債権者や「人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権」を有する債権者に限られている。

 これらの債権者であることが不明確では,この制度が使えなくなってしまう。たとえば離婚事件では養育費の支払いなのか財産分与の支払なのか,あるいは身体DVの慰謝料の支払いなのか不貞の慰謝料の支払いなのかよくわからない事態が生じうる。

 和解において,旧来のように「解決金として金〇〇円を支払う」「慰謝料として金〇〇円を支払う」という条項では,給与等に関する第三者からの情報取得手続が利用できなかったり,債務者から異議が申し立てられたりする。財産分与請求権のみをもつ債権者は206条の対象外だし,不貞は争いがないがDVは争いがある場合に,単純に「慰謝料として・・・」では,「人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権」かどうかわからないからである。

注意すること

 改正民事執行法施行前であっても,和解をするときは「養育費として」「人身傷害の慰謝料として」という文言を入れておくべきなのである。

参照条文

民事執行法
(債務者の給与債権に係る情報の取得)
第206条 執行裁判所は、第百九十七条第一項各号のいずれかに該 (新設) 当するときは、第百五十一条の二第一項各号に掲げる義務に係る請求権又は人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権について執行力のある債務名義の正本を有する債権者の申立てにより、次の各号に掲げる者であつて高裁判所規則で定めるところにより当該債権者が選択したものに対し、それぞれ当該各号に定める事項に ついて情報の提供をすべき旨を命じなければならない。ただし、当該執行力のある債務名義の正本に基づく強制執行を開始することができないときは、この限りでない。 一 市町村(特別区を含む。以下この号において同じ。)
債務者が支払を受ける地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第三百十七条の二 第一項ただし書に規定する給与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として高裁判所規則で定めるもの(当該市町村が債務者の市町村民税(特別区民税を含む。)に係る事務に関して知 り得たものに限る。)
二 日本年金機構、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団
債務者(厚生年金保険の被保険者であるものに限る。以下この号において同じ。)が支払を受ける厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第三条第一項第三号に規定する報酬又は同項第四号に規定する賞与に係る債権に対する強制執行又は担保権の実行の申立てをするのに必要となる事項として高裁判所規則で定めるもの(情報の提供を命じられた者が債務者の厚生年金保険に係る事務に関して知り得たものに限る。)2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の申立て及び当該申立てについての裁判について準用する。

高齢者から金品をもらったら

高齢者から金品をもらったら,礼状を書いておこう

・・・相続人から「返せ」と言われないように・・・

 あるおばあちゃんがいた。おばあちゃんの親戚は,甥・姪しかおらず,甥・姪たちは,生前,おばあちゃんに近づこうとしなかった。おばあちゃんは,寂しいので,少し年下の女友達複数を作り,旅行に行ったり,互いの家に泊まりに行ったり仲良くしていた。愛嬌のあるおばあちゃんは女友達たちに好かれ,友達としては濃いつながりとなっていた。

 おばあちゃんはお金持ちだったので,女友達の分まで旅行の費用を出したり,金品を友達に送ったり,友達の夫が病気になって友達の家庭の生活費が大変になると,生活費を援助したりしていた。生活費の援助をするようになる前から,一緒に楽しく過ごして,お互いに信頼関係ができていたし,女友達たちはときどきおばあちゃんの身の回りの世話もしていたから,おばあちゃんが友達に生活費の援助をすることは,よく話を聞けば聞くほどごく自然な成り行きに思えた。

 元気だったおばあちゃんも歳には勝てず,かなりの高齢でなくなったのであるが,亡くなるまで元気で頭もしっかりしていた。

 おばあちゃんの死後,甥・姪のうち,おばあちゃんと女友達たちの関係を理解しない一人が現れて,おばあちゃんのお金を返せ,と言ってきた。女友達は,おばあちゃんの好意でもらったものだ,と説明したが,甥・姪の一人は女友達たちがおばあちゃんを騙して,金品を拠出させたと頑なに疑い,不当利得返還請求をし,贈与の証拠を要求した。

・・・

実は,

おばあちゃんの生前に,おばあちゃんと友達は弁護士の法律相談に行っていた。この時の様子は,以下の通りであった。

おばあちゃんたち「先生,私たちの信頼関係は厚く,証拠など必要ありません」

きりぎりす先生「そうですね。楽しくやるのが一番,証拠など作っていたら仲が悪くなってしまいます」

あり先生「仲が良いのであれば,その友達のために証拠を作っておいて,将来,あなたの親族から友達を守ってあげることを考えるべきでしょう,また,そういう話ができて始めて本当の仲良しですよ」

とはいえ,仲の良いものどうし,なかなか証拠が作れるものではなかった。

・・・

そして,結局,訴訟が起きたのである。おばあちゃん,あの世から,さぞや訴訟の行方が気になったに違いない。

そこで!

しっかりした証拠を作れないのであれば,せめて,お礼状など感謝の気持ちを形で残しておきましょう。

もちろん,手元にコピーなどで保管して。先方が,礼状を捨てないように,工夫すれば万全。礼状でなくてもお返しをしてもよい。

礼状は貸し借りではなく,贈与だという証拠になる。

おばあちゃんの荷物から大切に保管されたいくつかの礼状やお返しが出てきたら,いくら疑い深い人でも,贈与があったことを認めるだろう・・・。

駐車場契約の買主からの解約(解除)の注意点

駐車場契約の買主からの解約(解除)の注意点

1.比較的契約解消しやすい

借地借家法の適用はない。
建物所有目的での土地の賃貸借でないから。

借地借家法第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。

したがって,解約について厳しい制限はない。

        契約更新を断る

ことも可能。

2.契約期間終了時に要注意

契約期間が定められている場合,更新しないなら,契約期間終了後,遅滞なく,貸主から使用継続に対して,

異 議

を述べなければならない(民法619条1項)。

第619条 賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定する。この場合において、各当事者は、第617条の規定により解約の申入れをすることができる。

異議を述べないと前契約と同一条件で賃貸借をしたものと推定される。但し,同一条件といっても賃貸借期間は定めのないものとなる。

定めのないものとなった後の解約はいつでもできるが,土地の賃貸借の場合は

1年後の解約

となる(民法617条1項)。この適用を避けるには,初めの契約時,特約で排除する。

第617条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日

3.賃料未払いの場合

賃料不払いの解除のケースで,内容証明上,「行き違いで支払をされた場合はご容赦・・・」などと記載するのは,この場合よくない。
借家の事例であるが,「無断転貸を理由とする賃貸借契約解除の意思表示は、それ以外の理由によつては解除をしないことが明らかにされているなど特段の事情のない限り、同時に借家法1条ノ2の解約申入としての効力をも有する」という判例(昭和48年7月19日/最高裁判所第一小法廷/判決/昭和47年(オ)968号)がある。

解除 兼 解約!!

この判例の趣旨からすると,解除通知が届く直前に賃料が支払われた場合でも,解除通知は617条の解約申入れとして有効ということになろうが,上のような記載があるとその記載が特段の事情とされて解除通知の解約申入れとしての効力は無効と判断される可能性がある。契約を継続したいなら別だが。

いずれにしても,未払賃料を微妙なタイミングで支払いされてしまった場合,債務不履行解除が有効となるのかあるいは債務不履行解除が無効で民法617条の解約申入れとなるのか,はっきりしない場合もでてくる。

上記判例抜粋
「賃貸借の解除・解約の申入れは、以後賃貸借をやめるというだけの意思表示であり、その意思表示にあたりいかなる理由によつてやめるかを明らかにする必要はないのであるから、賃貸人がたまたまある理由を掲げて右意思表示をしても、特にそれ以外の理由によつては解除や解約の申入れをしない旨明らかにしているなど特段の事情のないかぎり、その意思表示は、掲げられている理由のみによつて賃貸借をやめる旨の意思表示ではなく、およそ賃貸借は以後一切やめるという意思表示であると解するを相当とする。そうすると、その意思表示の当時、そこに掲げられた理由が存在しなくても他の理由が存在しているかぎり、右意思表示は存在している理由によつて解除・解約の効力を生ずるものと解すべきである。それゆえ、たとえ、無断転貸により解除する旨の意思表示がなされても、その当時、借家法一条の二の正当事由が存在しているときには、右意思表示は同時に同法同条による解約申入れとしての効力をも生じているというべきである」

自己破産されても請求できる・・・自己破産免責対象外の債権・請求権(非免責債権)

2018年2月8日投稿

相談内容

以前,お金を貸し,連帯保証人も付けてもらいました。
2年ほどは順調に返済してもらいましたが,その後借主が行方不明となり,返済が滞りました。そこで,連帯保証人に請求したところ,半年前に自己破産をしたので,支払いはできないと言われてしまいました。
裁判所からは私に自己破産の連絡も来ていません。
どうしたらよいでしょうか。

相談内容の法律的な解説
普通は「自己破産」をすると「破産決定」の次に「免責決定」がされて,負債は支払う必要がなくなる。
しかし,自己破産をした場合,負債の全てが免責されるわけではなく,免責されない負債,非免責債権もある。破産法253条の規定だ。同条に規定する典型的な非免責債権は租税等の債権。
そして,同条には租税等債権の他に非免責債権の一つとして「破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)」も免責されない債権として規定されている。
債権者名簿に記載すると免責について意見申述の機会が与えられる(破産法251条,破産規則76条,いずれも末尾に条文掲載)。裁判所から連絡がないということは,債権者名簿に自分の債権が記載されていないということだ。そうすると非免責債権になっている可能性がある。

先に結論
破産者が①故意あるいは過失により②債権者名簿(債権者一覧表)に記載しなかった債権で,③債権者が破産決定を知らなかった債権は免責されない,ので,これらについて検討し,免責されているかどうか判断する。

もう一度,復習と掘り下げを以下行う。

要点1

債権者一覧表に自分の債権が記載されている,されていないだけで判断してはいけない。

したがって,
「裁判所から連絡が来なかったから債権者一覧表に自分の債権を記載していないだろう,だから,自分の債権は免責の対象となっていない」という債権者の主張は不正確。
なぜなら,
善意無過失で記載しなかった債権は免責対象債権とされるから。なお,「知りながら」というのは過失も含まれると解釈されている。

要点2

債権者が破産決定を知っていたかどうかという点も忘れてはならない。

したがって,
「故意あるいは過失により債権者一覧表に記載するのを忘れた,免責対象外の債権だから支払わないといけない」と即断するのも不正確。
なぜなら,
債権者が破産決定を知っていれば免責の対象となるから。
「(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)」
の部分。債権者が破産手続開始決定のあったことを知っていた場合は,免責となる。債権者に免責に関する意見申述の機会が提供されるべきだという考えから,債権者が破産決定を知っていれば,免責の審理に参加することができるので,免責対象債権にしたもの。
債務者が債権者である身内や友人に破産決定を知らせていたなどがありがち。

再度,しつこく,まとめると
債権者一覧表に記載されているかどうか
②債権者一覧表に記載しないことについて故意過失はあるか
③債権者が破産決定を知っていたかどうか
を検討することになる。

それでは次に,一番問題になりそうな過失について,さらに掘り下げて,どのような場合に過失ありとされるか検討する。

否定例
過失を認定して免責の効果が債権に及ぶことを否定した裁判例として

東京地方裁判所平成14年2月27日判決
大分地方裁判所平成24年5月30日判決

肯定例
過失があると絶対ダメか・・・そうではなさそうだ
軽微な過失は免責とした裁判事例が見られる。
以下,免責を認めた裁判例とそのポイントを記載する。

神戸地方裁判所平成1年9月7日判決
「免責の効果を認めない程の過失があったとは認められない」

事情としては
・債権者債務者間で昭和54年3月に調停調書が作成されていた
・昭和60年2月に免責許可決定がなされた・・・6年経過し忘れやすい
・自己破産に関する債権者数は約30,負債総額は3600万円・・・注意が行き届かず債権者を漏らしやすい
・自己破産に関する債権者のほとんどは昭和57年に借りたもの・・・注意が行き届かず債権者を漏らしやすい
・調停調書を紛失して手元になかったので記載しなかった・・・気づきにくかった
・約4年間請求がなかった・・・4年経過し忘れやすい

東京地方裁判所平成15年6月24日判決
「失念したために記載しなかった」「過失があったと認めるには足りない」

事情としては
・シティズの事案,裁判所の判断にバイアスがかかっている可能性があり,参考にならない

札幌地方裁判所平成26年4月15日判決
「過失があったと認めるには足りない」

事情としては
・平成9年から平成12年まで貸付け
・平成19年免責許可決定
・母親の生活の面倒を見なければいけない・・・忙しい
・自己破産は母の生活費困窮によるもの・・・本件債権は盲点となりやすい
・返済は母が行っており,債権者から請求されたことがない・・・気づきにくい
・債権の記載を躊躇させる事情が全くない
・借用証書署名から免責まで6年経過・・・忘れやすい

東京地方裁判所平成27年10月22日判決
「過失があったことは認められる」
「軽度の過失があるだけでは破産法253条1項6号の適用はない」

事情としては
・平成22年1月連帯保証
・平成22年4月破産申立て
・平成22年12月免責許可決定
・経営していた会社の破産対応に負われていた・・・注意が行き届かない
・保証債務の履行を求められなかった・・・忘れやすい
・破産申立時,主債務の不履行があったという事情がない

以上,
債権者名簿に記載を忘れた債権についても,比較的緩やかに免責の効果を及ぼしている印象をもつ。

破産法

(免責についての意見申述)
第251条 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者(第253条第1項各号に掲げる請求権を有する者を除く。次項、次条第3項及び第254条において同じ。)が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。
2 裁判所は、前項の期間を定める決定をしたときは、その期間を公告し、かつ、破産管財人及び知れている破産債権者にその期間を通知しなければならない。
3 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。

(免責許可の決定の効力等)
第253条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
四 次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
七 罰金等の請求権

破産規則
(免責についての意見申述の方式・法第251条)
第76条 法第251条第1項に規定する意見の申述は、期日においてする場合を除き、書面でしなければならない。
2 前項の意見の申述は、法第252条第1項各号に掲げる事由に該当する具体的な事実を明らかにしてしなければならない。

早い者勝ちの土地共有持分放棄

早い者勝ちの土地共有持分放棄
2018年1月10日投稿

記事の概要
いらない物は捨てたくなる。使えない土地も同じ。

いらない物をわざわざ買うことはないとして,相続してしまうことは十分にありうる。
所有権や共有持分の放棄は自由であるとされている,共有持分については民法にも規定がある。
しかし,土地の単独所有権の放棄は登記できない。
数人で不動産を共有している場合,一人ずつ放棄していく,最後まで残った者は放棄できなくなる。まるでババ抜きwwwww
そこで,いらない土地は他の共有者より先に放棄すべきだというのが結論。
以下,詳しい説明をする。

      いらない物は捨てたくなる・・・

いらない物
利用価値も売却価値もないものがある,人口減少が原因か,近年,地方の土地建物についての相談が増えている,固定資産税を支払う必要が生じているだけで,マイナス資産だというのだ。
誰も買わないし,役所も寄付を受け付けない。

      建物は壊すことができるが,土地は物理的に壊すことも捨てることもできない。

単独所有権・共有持分の放棄
理論的には所有権,所有権共有持分は放棄ができる。共有持分については民法255条に規定がある。「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」とされている。単独所有権の「放棄」は民法に規定がないが,これも理論的には可能とされている。
それでは,放棄すればよいのか?共有持分についてはそのとおりだが,単独所有の土地は事実上放棄できない。まずは単独所有権の放棄から見ていく。

単独所有権の放棄
「放棄」の方法であるが,単独行為であり,特定人に対する意思表示を必要としない。占有の放棄その他によって放棄の意思が表示されればよい。意思表示の相手が必要だとすると誰を相手にするかという問題がでてくるが,これはクリア。これはよいとして,放棄を第三者に主張するには登記をしなければならないという問題がある。民法177条は「不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない」と規定する。放棄についても登記をしなければ,相手にされないのである。

      それでは登記できるのであろうか。

単独所有権放棄の登記について
民法239条2項は「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」と規定する。
そうすると国に移転登記するのか。また,所有権の放棄の登記は国の所有権に変更するのではなく登記抹消すればよいだけではないかとも考えられる。国庫に属する未登記の土地というものがあってもおかしくもなんともない。
ところが,法務省民事局の登記関係先例,昭和41年6月1日付1124号照会とそれ対する同年8月27日付1952号回答は・・・
(照会)
  一,不動産(土地)所有権の放棄は,所有権者から一方的に出来るか。
  二,もし所有権放棄が可能であれば,その登記上の手続方法はどの様にするか。
(回答)
  一,所問の場合は,所有権の放棄はできない。
  二,前項より了知されたい。

       所有権放棄の登記ができない!!!

       共有持分の場合は,ど,ど,ど,どうなるの?

共有持分の放棄
前記の通り,共有持分の放棄は民法255条によりその持分は他の共有者に帰属するとされている。

共有持分放棄の方法
共有持分の「放棄」の方法は単独所有権と同じで単独行為で相手方を必要としないはずであるが,地上権の放棄について土地所有者に対する意思表示が必要だという判例(大審院明治44年4月26日判決「所有権を有せざる者に対してなしたる地上権の放棄はその真の所有者との間においては何らの効力を生ぜざるものにして・・・」)があるので,他の共有者に対する意思表示をする方法での放棄が無難。

共有持分放棄の登記の方法
登記の種類は移転登記によることになる。実体法上は放棄により持分が消滅し,その持分は他の共有者に「移転」するのではなく,他の共有者がその持分を「原始取得」するとされている。しかし,「移転登記」をする。
「土地の共有持分の放棄がされた場合、放棄により共有持分は一旦消滅するから、このような共有持分放棄による他の共有者又は国の持分権取得は、実体法上は原始取得であると解されるが、登記法上は、この場合には、いわゆる移転的承継取得の場合と同様、一定の原因により権利が一人の帰属を離れるのと同時に他人に帰属するという関係にあり、右のような状態を登記簿上に正確に表示することが不動産登記法の本来の法意に合致すると解すべきであるから、登記手続としては持分権放棄を登記原因として、持分権の放棄者から他の共有者又は国への持分権移転登記手続をすべきものと解するのが相当である(最高裁昭和四四年三月二七日第一小法廷判決・民集二三巻三号六一九頁参照)。」(名古屋高裁平成9年1月30日判決)

       共有持分の場合はなんかできそうだ・・・

登記申請方法
土地の登記は登記によって利益を受ける登記権利者と登記によって権利を失う登記義務者の共同申請による。共有持分の放棄では放棄するものが登記義務者,放棄しない者が登記権利者となる。ところが,登記権利者が協力しないと登記できないことになる。
通常は登記義務者が協力せず,登記権利者が登記義務者に対して登記請求訴訟を提起して,勝訴判決を得て登記をする。
それでは,登記権利者が協力しない場合はどうなるか。
その場合は,登記引取請求訴訟を提起する。

       登記引取請求??

登記引取請求に関する東京地方裁判所平成28年12月16日判決
「原告が被告に対し、原告持分を放棄する旨の意思表示をすることにより、原告持分は、他の共有者である被告に帰属することになる。
  そうすると、原告は、本件土地の共有持分を有していないにもかかわらず、本件土地の不動産登記記録には、原告が本件原告持分を有している旨が公示され、原告から被告への本件原告持分の移転が反映されておらず、現在の実体的権利関係に符合していないのであるから、原告は、被告に対し、不動産登記記録に公示された権利関係を現在の実体的権利関係に符合させるべく、被告に対して本件原告持分の全部移転登記手続を求める登記請求権を有するものと解するのが相当である。したがって、原告は、被告に対し、上記登記請求権に基づき、平成28年10月6日共有持分放棄を原因とする原告から被告への原告持分全部移転登記手続を求めることができる。」
この場合の共有持分放棄に対して,他の共有者は持分を放棄した者から取得した部分のみを放棄することによって引取登記義務を免れることはできない(東京地方裁判所平成28年6月8日判決)。
登記引取請求に関するもともとの判例は最高裁昭和36年11月24日判決,売買解除の事例。

       共有持分放棄の登記は可能だ!
備考
なお,単独所有者が国に対して所有権放棄を理由として登記引取請求訴訟を提起するとどうなるかまでは不明である。

以上による結論!!!

いらない土地の共有者が次々と放棄すると最終的には単独所有となる。
そこまでは登記ができる。
最終の単独所有者は放棄の登記ができない。

貧乏くじ
傾斜地,極小面積地,僻地,親父が原野商法で買わされた所有地が境界確定どころか場所の特定もできない,草ボーボーで人が入れず,鹿・熊しか使っていない,土壌汚染があり近隣から苦情がある,土砂崩れで近隣の住宅を破壊しそうだなど,使用価値がなく,売却もできないのに,固定資産税ばかりかかって困るという事態が生じる。地方公共団体に寄付しようとしても引き取ってくれない。
特に遺産分割で,価値のないものは共有とすることがあるが,分割協議後,あるいは分割調停後,時機を見て放棄すべきである。

参考文献
我妻栄 有斐閣 物権法121,248頁 
小倉馨 「土地の所有権の放棄の登記手続について」法曹746号 (2012.12)
小倉馨 「土地所有権の放棄に関する一考察」民事法務354号(2013.11)
小森谷祥平 「不動産登記実務からの土地所有権放棄論」登記情報 55巻7号 (2015.7)

節税目的の養子縁組の有効・無効

2017年1月31日に投稿

最近出た判例に疑問があり,納得できないので,コメントする。

平成28(受)1255  養子縁組無効確認請求事件
平成29年1月31日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所

この判決は,

専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない

とした。

しかし,これでよいのだろうか。疑問がある。
疑問1 矛盾
最高裁判所は養子縁組の有効要件として,当事者間に養子縁組の実質的な意思が必要であるという見解は捨てていないと思われる。
しかし,養子縁組の実質的な意思が少しでもあればよい,というのであれば,実質的な意思を要件とする意味はなく,むしろ,実質的意思不要説ではないか。
つまり,この判決は「専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。 」というのである。専ら節税対策であれば,実質的養子縁組意思はほとんどない,ということになるので,実質的な養子縁組意思は必要ないと言っているに等しく,実質的意思必要説と矛盾しないのか。
疑問2 脱法行為ないし相続税法との不整合
相続税法は養子縁組による節税効果を養子の数で制限している。これは,便宜的に養子の数を増やすことで,節税を図ることを防止している制度であると解される。
養子の要件として専ら節税目的があればよいのであれば,便宜的な養子縁組を数多く行うことによる節税効果が制限されているのはなぜか。最高裁判決と相続税法との間に考え方の違いはないか。

疑問3 憲法上の平等違反
専ら節税目的である場合でも養子縁組が有効に成立するとすれば,養子の数多いために節税効果が制限される人には不満が残る。この点憲法上の平等の原則に反する疑いがある。これを検証せずに(理由にも示さずに,もしかしたらこの点を検証せずに)判決した最高裁は怠慢であると言わざるを得ない。

いずれにしても,最高裁の判例解説を見たいが,これが,同時に発表されないことは不便である。改善されるべきである。